We’ve updated our Terms of Use to reflect our new entity name and address. You can review the changes here.
We’ve updated our Terms of Use. You can review the changes here.

陽​の​か​け​ら

by inuha

/
1.
出発の朝 04:05
君がいなくなってから 世界の体温が少し下がった気がする 僕はどこを目指していたのだろう 今ではよくわからない 歩いているうちに随分いろいろ変わった 寂しさが風に吹かれてちょっと軽くなったら 目に映るその全てに感動しよう 火のような気持ちが揺れている 確かに熱を持っている きっと届くことはない いつまでも遠くにあるあの地平線のように それでも想っているから
2.
この森は近い未来 火事で焼けるから みんないなくなるよ 楽しいことも その反対も形を失う 僕は今 行きたいところがある 持ち物は少なくしてしまおう いつか終わる そのいつかは今じゃないと思う この寂しさたちが どこからやってきたか たどっていけばいつも君に行き着く 美しい季節 花がこぼれる
3.
セシル ハンナ イアン ラシエ デニス ロジー エドム ニーナ みんなおはよう 私行くよ 地平の向こう 陽のかけらを きっと帰るから きっと治るから
4.
一番古い記憶は海原を見つめながら母を呼んだこと ひどく褪せていてそこだけが別の誰かのものみたいだと思う 僕はもう疲れたから 僕はもうだめみたいだ 水浴びする鳥たちに混ざりたいよ 意地の悪さを洗い流したいよ 誓いの旗ひるがえり深呼吸を繰り返して 振り出しに戻る 僕はもう疲れたから 僕はもうだめみたいだ 風に乗って 同じことを歌う 何度も (みんなさようなら 今までありがとう そしてこれから これからもよろしく)
5.
「僕が死んだらさ 泣いてくれよ」 君は部屋の片付けをしながら呟いた わたしまだ先のことわからないから わからないけれど 死んでほしくないかなあ… 知恵比べ挑んでわたしいつも負けて すぐに泣いてばっか そんな日々のかけら 遥かな空には白い凧がひとつ 森を抜け出した後みたいな気分だなあ… 君を想わない 君を忘れる そんな日もある それくらいでいいよ と言う君を想う 君を忘れない 「僕ら二人でさ 海を見に行こうな」 部屋の片付けはまだまだ続きそう わたしまだ世界のことわからないから わからないけれど いつか行けたらいいなあ… そっか そのときには 泣かないでって言ってくれる人はいないんだ 君を想わない 君を忘れる そんな日もある それくらいでいいよ と言う君を想う 君を忘れない
6.
枯葉に寝転ぶ君の手を取ったときに この子はもうすぐ死んでしまうんだと悟った うねる風 氷の目 何を見つめてるかな 澄んでいて 透明で 焚き火揺れゆらゆら 想えば想うほど君の心はか細い 確かなものなどどこにもないんだとわかった だけどね不思議とね 受け入れているから さあ立って 僕の手離さないでいて ほら…

about

ユーフォリアの系譜としてのシューゲイザーの歴史、分解系レコーズを初めとする国産エレクトロニカの文脈、その他美しい様々な水脈がinuhaというひとつの運動に結晶する様に、この『陽のかけら』という作品が在る。

美しく愛しい全てのもの、悲しく澄んだあらゆるもの、童心と淡い感傷、純粋な記憶、既に古びたものが新しいものとして浮かぶ瞬間、視界を染めてしまうような強い感情、懐かしい君の姿、喪ったものも持っているものも覚えているものも自分の中で生きていること。
それらが世界で一番綺麗な宝石のように、緻密に縫い合わされた物語として、音楽として提示されること。これがSiren for Charlotteによる『陽のかけら』についての形容だ。

徹底して優しい感情が、傷や軋轢、軋んだものを癒やしてしまうこと。この轟音の中に暴力はなく、ユーフォリアとリリシズム、美しさと淡い感情の結晶が鳴り響いている。

inuhaさんによる高い達成を是非ご体験下さい。

The history of shoegaze as a lineage of Euphoria, the context of domestic electronica including Bunkai-Kei records, and various other beautiful veins of water crystallize into a single movement called "inuha", where this work, "Hi no Kakera (Fragments of Sunlight)" exists.

Everything that is beautiful and lovely, everything that is sad and clear, childhood feelings and pale sentimentality, pure memories, moments when something old comes to life as something new, strong emotions that paint your vision, nostalgic images of you, things lost, things kept, and things remembered are all alive inside himself.
That they are presented as music, like the most beautiful jewels in the world, as a story that has been meticulously stitched together. This is how Siren for Charlotte describes "Hi no Kakera" (Fragments of Sunlight).

That the thoroughly gentle emotions heal wounds, frictions, and squeaks. There is no violence in this roar, but a crystallization of euphoria and lyricism, beauty and pale emotion.
We invite you to experience the high achievement by inuha.

──Siren for Charlotte

今作が生まれたきっかけは、もともと遠泳音楽という概念を知る前に制作し、動画サイトに投稿していた『病気の子どもたち』という楽曲です。この作品が門脇さんに「遠泳ミクゲイザー」と評していただけているのを見かけて、それから徐々にこの概念に惹かれるようになりました。あまり深くは知らないけれど、何かを感じる。自分の音楽に対する価値観を深める上でいい機会だと思ったため、今回のお話をいただいたとき、すぐに了承しました。そして『病気の子どもたち』のリメイクを収録することを決め、そこを中心として当時作ったときに考えていた物語や風景を思い出し、拡張し、形にしました。

僕の中では、シューゲイザーの美しさや魅力を内包した、シューゲイザーに囚われない音楽、と認識しています。エッセンスは感じつつも、必ずしもそこに囚われない、生き生きとしたアレンジ、歌詞、ミックスを心がけました。現時点で、僕は作品を鑑賞する上でも制作する上でも、没入できるかどうかということを重要視しています。轟音、フレーズの繰り返し、浮遊感のある音色…などのような要素は没入感を得る上で大切なものであると思います。そして遠泳音楽は、必ずしもそこに囚われなくていいということも感じさせてくれます。結局何も持っていないかもしれないし、それでも日々は過ぎていくけれど、そこで見つけたり、貰ったりした美しいものをこれからも大切にしたいと思います。

──inuha

credits

released January 10, 2024

歌 初音ミク
音楽 絵 inuha

Catalogue Number : SIREN : 0003

license

all rights reserved

tags

about

Siren for Charlotte Japan

遠泳音楽 (=Angelic Post-Shoegaze) Label.

Since 2023/02/03.

Label logo & header by cosgaso.

Owned and run by
Tsunaki Kadowaki
(@telepath_yukari )
aro (@umbermoon_ )

We gaze at distant scapes, dreaming of beings we can't touch, and let our beautiful fantasies take flight.
... more

contact / help

Contact Siren for Charlotte

Streaming and
Download help

Redeem code

Report this album or account

If you like 陽のかけら, you may also like: